世子の病は深刻な状態に陥っていた。世子妃ハン氏は付きっ切りで看病していたが、すでに世子に意識はなく、最期も近いと思われた。世祖は多くの血を流してようやく手に入れた王位を継承させる者がいなくなることに、強い危機感を抱いていた。世子危篤の噂が駆け巡ると、宮殿は俄かに騒がしくなった。そ […]
世子妃が第2王子を出産する。その頃城下では、魯山君を憐れに思った民衆が、世祖を呪う札を貼るという騒ぎが起きていた。譲寧は府院君と魯山君を殺すよう促すが、世祖は府院君を官奴にするに留める。錦城大君は着々と人を集め、事を起こす準備を進めていた。吏曹判書となったハン・ミョンフェは世祖の […]
翌日、魯山君と夫人は昌徳宮を出て行くこととなった。王妃は二人が不憫でならなかったがどうすることもできず、ただ涙を流すしかなかった。魯山君は夫人と離ればなれになるのが何よりも辛かったが、共に暮らすことは許されず、夫人は浄業院に送られてしまう。この騒ぎに、流刑地の錦城大君が不穏な動き […]
府院君とクォン・ワンを告発したのは王妃の弟ユン・サユンだった。王妃はそれを知って、弟の裏切り行為に強い衝撃を受ける。一方上王は義父が捕まったとの知らせに、自ら世祖のもとに赴いて府院君を殺さぬよう哀願する。だが府院君はこの日が来ることをすでに知っていたかのように覚悟を決めていた。世 […]
官僚たちは上王廃位を求めて座り込む。譲寧大君も強く上王廃位を求めるが、その弟、孝寧大君は逆に廃位させるべきではないと語気を強める。世祖は上王と共に祭祀を執り行うが、上王は亡き父、文宗の位牌を前に思わず涙を見せてしまう。それは世祖にとっては裏切りの涙だった。そんな折、大妃の父、府院 […]
ハン・ファクに続いて左議政イ・サチョルが死に、領議政チョン・インジまでもが高齢を理由に辞職を願い出る。ハン・ミョンフェはチョン・インジに上王を廃位させて世祖の恩に報いるべきだと主張するが、チョン・インジの心は穏やかではない。だが上王廃位の声は宮殿内で徐々に高まって行く。世祖はここ […]
世祖はこれ以上謀反が起こらぬようハン・ミョンフェに監視を命じる。今回の事件で世祖のハン・ミョンフェへの信頼はゆるぎないものとなった。一方、上王は昌徳宮に幽閉されたまま、寂しい日々を送っていた。王妃と世子はそんな上王を切なく思うが、世子妃とハン・ミョンフェは上王の廃位を推進すべきと […]
粛清が終わると、世祖は集賢殿を廃止する。これまで学者を信頼し重用してきた世祖にとって、彼らの行為は裏切りとしか思えなかったのだ。次に世祖はハン・ミョンフェを呼び都承旨を命じる。影で支え続けたハン・ミョンフェだったが、ようやく世祖の側で仕えることとなった。「端宗復位事件」は未遂に終 […]
世祖を訪ねた譲寧は逆臣らの処罰と上王廃位を訴えるが、世祖は聞こうとしない。その頃ハン・ミョンフェはこの事件を密告した右賛成チョン・チャンソンを訪ね、身の潔白を証明したければ、王妃の父、ソン・ヒョンスを陥れるようにと進言する。だが世祖は上王への配慮からソン・ヒョンスには尋問せず、謹 […]
死六臣らは一様に端宗への強い忠誠心を示し、どれほど激しい拷問にも決して信念を曲げることなく耐え続けた。上王がこの謀反に本当に関わっていたのかどうかが気がかりでならない世祖だが、事実を知ることを恐れてもいた。譲寧やハン・ミョンフェ、世子妃ハン氏は上王がいる限り、謀反はなくならないと […]
右賛成チョン・チャンソンの密告により、ソン・サンムンらの謀反計画を知らされた世祖は上王もこのことを知っていたと聞かされ、衝撃を受ける。ソン・サンムンは計画が明るみになった後もまったく悪びれる様子はなく、自分にとって王は端宗一人だけだと言い放つ。こうして死六臣による「端宗復位事件」 […]
世祖2年6月1日、明の使臣のための歓迎宴が開かれる。ソン・サンムンらはここで世祖と世子を亡き者にしようとしていた。彼らから計画を聞いた上王は叔父である世祖を殺すことに激しく動揺するが、すでに止められないところまで来てしまっていた。その頃ハン・ミョンフェは世祖に知られる前に謀反をつ […]
クォン・ラムとシン・スクチュが明から戻ってくるが、宮殿にはただならぬ空気が漂っていた。ソン・サンムンら学者一派、そしてソン・ヒョンスら外戚一派がそれぞれ怪しい動きを見せ始めていたのである。ハン・ミョンフェはいち早くそれに気付くが、世祖に進言できずにいた。その中、明の使臣を歓迎する […]
錦城と寧陽尉を赦免しようと考える世祖。ところがそこに恵嬪が錦城に送った密書が届けられ、宮殿は一瞬にして緊張状態に入る。世祖は恵嬪の処刑に躊躇するが、譲寧は厳罰を主張して譲らない。ついに世祖も恵嬪処刑の王命を下す。この件を暴いたホン・ユンソンは功労が認められ、佐翼功臣三等を授けられ […]
明に送る謝恩使としてクォン・ラムとシン・スクチュが選ばれる。スクチュのもとには学者仲間のソン・サンムンが挨拶に訪れていた。ハン・ミョンフェはそのソン・サンムンら学者たちが結束して謀反を起こすのではないかと憂慮していた。世祖は謝恩使を送り出すとさまざまな制度改革に着手するが、錦城、 […]
強い王室を標榜する世祖は六曹直啓制の採択を強行する。この後、世祖は即位に貢献した臣下らに佐翼功臣の称号を与え、同時に大々的な人事異動を行った。この人事では元々世祖に不信感を持っていた集賢殿の学者たちがことさらに冷遇された。一方頻繁に書簡のやり取りをする上王と恵嬪に大妃の父、ソン・ […]
独断的に議政府署事制から六曹直啓制への改革を進める世祖(首陽)。クォン・ラムは先行きを案じるが、ハン・ミョンフェは成り行きを見守る姿勢を崩さない。世祖は官僚らの抵抗に実力行使で臨み、宮殿は混乱状態に陥ってしまう。その頃、上王のもとには恵嬪からの手紙が届いていた。その文面は上王の復 […]
首陽は上王に拝礼するために昌徳宮に向かうが、上王は自分のほうが拝礼に向かうべきと受け入れない。首陽はそんな上王のために宴を開いて冊立を祝う。だが上王が首陽の拝礼を受けなかった事実は、首陽が王位を奪ったと考える人々に強い印象を残すことになる。首陽は王妃、世子、世子妃の冊立を続けて行 […]
昌徳宮には側に仕える者がほとんどいないと知った王妃は心を痛め、首陽に上王冊立を訴える。首陽は景福宮に移ってまもなく大規模な人事異動を行うが、独断で行ったために不満が噴出した。これは首陽の改革の第一歩だった。だが首陽即位を快く思わない学者たちの反発が水面下で膨らんでいた。わだかまり […]
首陽の即位で端宗は上王となったが、廃位すべきとの声は小さくなかった。上王はその声を回避するため、急ぎ宮殿を明け渡し、昌徳宮に移る。入れ替わりに首陽は王妃ユン氏、世子、世子妃ハン氏と景福宮に入る。即位後9日目のことだった。意気揚々とした世子妃ハン氏に比べ、王妃ユン氏の心は依然晴れな […]