夜更け頃、端宗は王妃の前で涙を流していた。内官、女官たちは首陽のもとに行き、宮殿は静まり返っていた。首陽の屋敷では祝賀の宴が続いていた。ハン・ミョンフェはこの気に乗じて錦城、恵嬪、さらに寧陽尉も排除すべきだと首陽に進言する。宮殿にはいまだに首陽を認めようとしない勢力が息づいていた […]
即位式の準備が始まり、宮殿は祝賀の雰囲気に包まれる。端宗と王妃はそれぞれひっそりと無念を噛みしめていた。譲寧は端宗を廃位させるつもりで事を進めていたが、首陽は複雑な思いだった。その頃首陽の屋敷には官僚の夫人たちが続々とお祝いに駆けつけていたが、妻ユン氏は素直に喜べずにいた。一方、 […]
宮殿の周りは多くの兵士が取り囲み、不穏な空気に包まれていた。だがすでに端宗は気持ちの整理をつけており、譲位はあっさりと決まってしまう。しかし譲位することで助けられると思っていた錦城、恵嬪の二人は死罪こそ免れたものの、結局流刑に処されることとなる。こうしてついに首陽のもとに王印が届 […]
世宗の寵愛を受けた恵嬪が謀反を起こすはずがないと声を荒げる端宗。夜を徹して議論が続けられたが結論は出ず、ついに首陽が宮殿に呼ばれる。一方譲寧大君は端宗を廃位させるべきだと集まった王族らに迫っていた。互いの顔色を伺っていた官僚らは王位を守るために決断すべきと端宗に詰め寄るが、端宗は […]
義兄、寧陽尉が謀反を企てたという上書に端宗は激怒する。首陽は真相を確かめると端宗に約束するが、浄業院や錦城の屋敷を兵士に包囲させ、むしろ端宗を追い詰める。官僚たちも錦城、恵嬪の断罪を求めて座り込む。端宗は先王、文宗の殯宮だった思政殿に官僚たちを集め、厳しい口調で彼らを詰っていた。 […]
端宗は浄業院に送られた恵嬪に会いに行く。首陽は王みずからが罪人を訪ねることに激怒し、側で仕えるチョン内官を厳しく罰する。端宗はそのまま浄業院に泊まろうとするが、首陽はそれを許さず迎えを送る。一方王妃の顧命を得るため明を訪問した奏聞使の一行が戻って来ていた。首陽の妻ユン氏は王妃を訪 […]
端宗はまたもや宮殿で兄弟が争い、血の雨が降ることに胸を痛めていた。それを回避するために、なんとしても錦城と恵嬪を守ろうとするのだが…。王妃は親政を執るまでの辛抱だと慰めるが、毎晩のように悪夢にうなされる端宗が不憫でならなかった。王妃の父、府院君は首陽を訪ね、娘を殺さぬようにと頼む […]
報告書に基づいた粛清が始まろうとしていた。大司憲は端宗に向かい、錦城、恵嬪らを謀反を企てた罪で極刑に処すようにと進言する。端宗は安平に続いて身内を殺さねばならないことに衝撃を受け、宮殿の門を閉ざしてしまう。官僚らは端宗に錦城、恵嬪の処刑を求めて座り込む。これを知った錦城は宮殿に赴 […]
首陽から宮殿の腐敗を正せとの命を受けたホン・ユンソンは意気揚々とこの仕事に取り掛かる。彼が提出した事細かな報告書に、身に覚えのある官僚たちは気が気ではなかった。だが首陽の目的は別のところにあった。巫女を使って首陽を呪詛していた恵嬪がまずその対象となった。これを機に首陽は恵嬪と錦城 […]
癸酉靖難の功臣ホン・ユンソンがオム内官に暴行を働き、宮殿はまたも混乱する。王妃はこの事実に怒りをあらわにするが、端宗は事を荒立てるなと諌める。同じ頃、嬢寧の家には王族や官僚たちが集まっていた。譲寧はこの席で端宗の譲位について言及する。錦城と永豊は譲寧らの動きに緊張感を高めていた。 […]
首陽のもとを訪れたクォン・ラムは首陽の本心を確かめようとする。クォン・ラムは首陽と運命をともにする覚悟だった。端宗は浄業院で恵嬪が喀血したと聞き、胸を痛めていた。その頃ハン・ミョンフェとクォン・ラムは夜を徹して語り合っていた。二人はどうすれば首陽を無事に王位に上げられるか思案して […]
端宗は自身が無力なため王宮が安定しないと考えていた。だが孝寧大君は首陽への不信感が今のような事態を引き起こしたのだと端宗を諭す。首陽の心を知った端宗はみずから首陽の家に出向き、二人は固く抱き合うのだった。王妃は二人が信頼を取り戻したことに、さらなる不安を感じていた。一方浄業院に送 […]
ハン氏は陣痛が始まり、難産の末にようやく男児を出産する。王妃は巷で王の孫が生まれたと噂されていることが無念でならなかった。だが端宗はこの噂で心を決め、同副承旨となったハン・ミョンフェを呼んで首陽へ譲位するとの王命を下す。端宗の決意を知った首陽は急ぎ登庁するが、端宗の気持ちは変わら […]
ついに端宗は辞職上書を首陽に返し、同時に恵嬪は宮殿を追い出され、浄業院に送られることになる。首陽はこの一件で宮殿での力を圧倒的なものとした。だが涙を流して手を取り合う端宗と首陽の姿を王妃は冷たく見つめていた。端宗は王座の重みに耐えかね、首陽への譲位を口にする。譲寧大君からも王座に […]
首陽は髪を解き、みずから宮殿に向かう。だが宮殿の門は恵嬪の腹心オム内官の差し金で閉ざされたままだった。首陽の登庁を聞き動揺する端宗に恵嬪は首陽を辞職させるよう強要。さらに錦城と永豊は端宗に首陽を殺せと詰め寄る。そこにやって来た譲寧大君は端宗に首陽を取るか恵嬪を取るかと詰問し、さら […]
辞職上書を受け取った端宗は首陽に会いに行こうとするが、王妃や恵嬪に止められる。宮殿内では首陽排除の雰囲気が漂い始め、恵嬪、錦城大君もこの機会を逃してはならないと端宗に迫る。端宗は首陽を助ける道がないと涙を流すのだが…。水面下で宮殿の動向を探るハン氏も、首陽の今の状況には為すすべが […]
首陽を排除しようと考える王妃は端宗を促して、恵嬪、淑嬪への朝夕の挨拶を敢行する。長引く首陽の謹慎で宮殿内には不安と不信感が高まっていた。王族や官僚たちの間にも新たな勢力争いが始まり、首陽は遠からず辞職するとの噂が公然と流されていた。その渦中で自分を信頼しない端宗に失望した首陽はつ […]
恵嬪の息子、永豊君は錦城大君とともに、首陽を罷免しろと端宗に詰め寄る。これを知らされた首陽は自宅に籠もってしまう。端宗は首陽に宮殿に戻るよう促すが、首陽はこれに答えず、謹慎生活を続けていた。ハン・ミョンフェからこのことを知らされたハン氏は急ぎ本家に戻る。王妃はこの機に乗じて首陽か […]
ハン・ミョンフェの仲間たちの不満は日ごとに増して行き、再決起も辞さない勢いとなっていた。一方恵嬪を宮殿から追い出せという官僚の直訴に対し、首陽は内命婦に任せよと命じる。内命婦を取りまとめる王妃は恵嬪を使って首陽から力を奪い、端宗を守ろうと考えていた。恵嬪と錦城は王妃を迎えたら官職 […]
ハン氏の明晰さに驚くハン・ミョンフェ。彼はハン氏の言葉に力を得、今後に希望を見出す。だが首陽の夫人ユン氏はそんなハン氏の行き過ぎた行動を憂慮していた。王妃は端宗と首陽の対立は避けられないと考え、端宗に力をつけさせようと躍起になっていた。王妃を迎えたことで平穏に戻ると思われた宮殿内 […]